書は言を尽くさず、

本読んだりしています

2007-01-01から1年間の記事一覧

『武士の一分』

キムタクはやはりキムタクらしい演技をしており、特別新境地を見せた訳でもない。むしろ配役と脚本の妙のように思える。 演出面では間の作り方が巧く不満は余りないが、緒形拳の渋さをもう少しだけ多めに見たかった。

『手紙』

東野圭吾原作の、強盗殺人犯を兄に持つ男の人生を綴った一作を映画化。 主人公が目指すものがバンドでなくお笑いコンビである等、ディテールは一部異なるようだが、基本的な話の道筋は原作通りのようで、仕上がりも原作の安定性・質の高さを反映している。た…

乙一 『The Book―jojo’s bizarre adventure 4th another day』

ジョジョ第4部のノベライズで、本筋は乙一によるオリジナルエピソードではあるが、原作でのエピソードや登場人物もふんだんに見られ、なおかつ一部の原作エピソードに対しては、著者なりの解釈を加えているものもあり、著者のジョジョに対する愛が感じられ…

大山尚利 『揺りかごの上で』

日本ホラー小説大賞長編賞の受賞第一作となる。 のち、おやすみ、ロビン (角川ホラー文庫)に改題。

井上雄彦 『バガボンド』(27) 『リアル』(7)

バガボンド……吉岡編終了。水墨画のようなタッチと武蔵の心境描写が見所。朱美の最期の刃がある意味一番重い。 リアル……周りは客観的に見れても自分は巧くいかないのが世の常。野宮の味はそこにある。 どちらの作品も根底は似た流れのような気がする。ダヴィ…

東京事変 『娯楽(バラエティ)』

東京事変の3rdアルバム。 今回は作曲を椎名林檎以外のメンバが手掛けているため、曲調・アレンジもバリエーションに富んでおり、文字通りバラエティ豊かな珠玉の作品集として仕上がっている。無論、椎名林檎の存在感は詞および歌唱による具現化のみだとして…

奥田英朗 『イン・ザ・プール』

キチガイ医師・伊良部が活躍するシリーズの第一弾。 およそ精神科医らしからぬ行動で、結果として患者を快方に導く伊良部の姿は、読んでいて爽快。ストレス社会にスポットを当てつつも、何じゃそらと笑い飛ばすが如き開きなおりっぷり。娯楽小説として非常に…

『7月24日通りのクリスマス』

吉田修一の原作はあくまで原作として、暗黒面に蓋をかぶせる・父親の店や海原さんの年齢等の設定の一部変更など巧くアレンジして、ポピュラー方面に膨らませた感じである。YOUや劇団ひとりの存在感はなんだかんだででかい。面白いは面白いが、吉田修一でなく…

桜庭一樹 『少女には向かない職業』

ミステリフロンティアとして配本された本作だが、ミステリ色は薄めであり、「少女」の思春期における情動に視点をあて、中学校での生活・さびれた地元・淡い恋・殺人等々のイベントを通して深掘りしていく。 生々しくどろどろと痛々しい思春期小説は幾つも読…

大岩ケンヂ・滝本竜彦 『NHKにようこそ!』

原作よりも寄り道が多く、生々しく、結末も異なるわけだが、下手に原作よりも物語として完成度が高いので困る。原作は笑えたが、コミック版は頭を抱えてしまった。絵師の力量だろう。

福本伸行 『アカギ』(20) asin:481246711X

「大ゴマが多くてわかりやすいなぁ」とか囁かれてそうだ。

大亜門 『クレイジー大亜門道』 asin:4088744489

「一九ポンチ咄」は確かに地味だった。

大亜門 『太臓もて王サーガ』(8)

巻内ベストは「あたしのしゃくはち式より危険だぁー!」。 全巻通してだと選びきれないぐらいのネタが出てきそう。カテゴリ分けすると、テニスの王子様・デスノートのパロが好きだった。木嶋率高し。あと勿論ジョジョ。 ジャガー系のギャグはジャンプに1作で…

最近のジャンプ

ということでまとめて感想書くと ・HUNTER×HUNTER……最新号は一部予想通りの展開だけどまさかこんなワクワクするとは ・NARUTO……死亡フラグ判定から結構じっくりと処理してますね ・アイシールド21……もう盛り上げるにはそれしかないという展開だけど巧く処理…

歌野晶午 『ハッピーエンドにさよならを』

11編収録の短編集。

石崎幸二 『首鳴き鬼の島』

孤島による閉鎖状況、バラバラ死体、見立て殺人等々、なんとも「本格ミステリ」を意識したつくり。終盤の展開など、いかにもメフィスト章作家らしく、ミステリ・新本格等の言葉に引き摺られ続ける不器用さが前面に出ている。頭を抱えたくなるが、どうにも憎…

『アイデン&ティティ』

テーマはバンドブームとその中でもがくロック。どちらも私の中では歴史に似た位置付けで、肌に感じたことはないが情報として知っており、なんとなくこういうものでないかな、というおぼろげな印象のみがあるもの。 本作もやはり、見ながら情報として受け止め…

貫井徳郎 『夜想』

不思議な力を持つ女性と、その能力によって救われた男性の物語。 著者としてはデビュー作『慟哭』以来の、宗教をテーマとした小説。物語的なカタストロフと構造的なカタストロフを織り交ぜ、一挙に畳み掛けていく終盤には絶句。後味が悪いわりに良い風にまと…

伊坂幸太郎 『アヒルと鴨のコインロッカー』

伊坂幸太郎のある意味子ども染みた気取りとミステリ的な手腕が全面に押し出された作品。現在と過去のストーリーが並行し、交錯して行く様が見所である。 『重力ピエロ』を読んだ時にも思ったのだけど、やはり著者のセンスという小説の根幹となる部分は好きで…

冨樫義博 『HUNTER×HUNTER』24

それはただの前提であろうが 王は称号 称号は所詮冠で名前ではない ジャンプ連載時とは絵的に別物になっているところがいちいち凄い。 BLEACHの三倍ぐらいの濃度でこのまま進んでほしいものです。

古川日出男 『サウンドトラック』

登場人物の出自・価値観・バックボーン等を執拗なまでの筆致で描き尽くすスタイルはさながら列伝である。しかし、各々の列伝がただ並び立てられるだけでは終わらず、複数の列伝を豊穣な文章により、一つの物語として収束させていくあたりが、本書の見所だろ…

『オーシャンズ13』

ブラッド・ピットはやはりカッコええ、とブラピ出演作品に対していつも言っている気がする。 趣旨として、オーシャンズシリーズは問題→施策→実施→問題……の繰り返しのため見ていて小気味よい。大どんでん返しを期待するものではない。

吉田修一 『7月24日通り』

でも、みんなそうなんじゃないかとも思う。みんな昔の自分を見返したくて、必死に毎日を過ごしているんだと。

道尾秀介 『背の眼』

第5回ホラーサスペンス大賞・特別賞受賞作。

森博嗣 『ηなのに夢のよう』

Gシリーズ第6作。

島本理生 『大きな熊が来る前に、おやすみ。』

恋愛をテーマとした短編集。

浦賀和宏 『堕ちた天使と金色の悪魔』

松浦純菜シリーズ第7作。

貫井徳郎 『ミハスの落日』

外国を舞台にした作品だけを集めた短編集。

サンボマスター 「世界ロック選抜<ファイナル> 全曲やって裏夏フェスをぶっ飛ばせ!!」

2003年、メジャーデビューから今までの全55曲を披露する5時間ライブ。ありえんほどのファンサービス精神。 1〜3部の三部構成。2部では真心ブラザーズや奥田民生などゲストによるカバーも交えていたが、それでも55曲歌い切っていた。頭おかしいけど物凄い…

歌野晶午 『密室殺人ゲーム王手飛車取り』

歌野晶午が講談社ノベルスに帰ってきた、というわけで、懐かしい新本格をいまどきの設定(画像つきチャットを駆使した推理ゲーム)でやってのけている。密室・アリバイなどなど新本格染みたキーワードが幾つも盛り込まれており、本格ファンは垂涎かと。落とし…