書は言を尽くさず、

本読んだりしています

2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

森見登美彦 『有頂天家族』

先生は私が恋文を盗み読んだことを先刻御承知であり、私は先生がそのことを先刻御承知であることを先刻御承知である。今宵に限ったことでなく、これまでの長いやり取りの積み重ねを通して、互いの先刻御承知が入り乱れている。けれども先生はそれを踏まえて…

『魍魎の匣』

京極夏彦の京極堂シリーズ第二作の映画化。

ジャンプ06・07合併号

『NARUTO』の戦闘がつまらないのは、画力とか構図とかの問題ではなく、幻術と変わり身と影分身が多用されるせいで一挙一動の緊張感に欠け、駆け引きの面白みが決定的に足りないからだと思う。 後出しジャンケンホーイな『BLEACH』はわかりやすいという意味で…

京極夏彦 『魍魎の匣』

たぶん増岡が怒り出したのは、あらぬ嫌疑をかけられたからでも、榎木津の不見識加減に義憤を感じたからでもなく、本当はそうしたかったのに出来なかったからなのだ。

森博嗣 『ゾラ・一撃・さようなら』

話せば、自分の行為が余計に馬鹿馬鹿しくなるだろう。人に語るために行ったのか、と思われたくない。人に思われたくないのではなく、自分に思われたくないのだ。

吉田修一 『春、バーニーズで』

「こいつには、俺の息子のこいつにはさ、今のうちから、いろんなこと、混乱させといてやりたいんだ」

宮部みゆき 『模倣犯』

同著者の先行作『火車』『理由』と並べて称される「現代ミステリ」三部作の最高峰。