2024-03-24 櫛木理宇 『死刑にいたる病』 『チェインドッグ』改題の文庫化。 一審死刑判決を受けている未曾有のシリアルキラー・榛村からの一通の手紙。旧知の間柄である主人公の大学生・雅也はそれを受け、榛村との面会に赴く。 雅也の鬱屈とした心理、榛村の犯行内容とそこに至るまでの背景・半生など、非常に重苦しい描写が連続する。雅也が榛村の足跡を辿るにつれ様相が変貌していく様には、不気味さと共に何処か少しの期待も混じってしまう。そのような読み方、拾い方を一瞬でもされれば、狙い通りということなのだろう。 あと改題は大正解だと思う。