書は言を尽くさず、

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櫛木理宇 『死刑にいたる病』

死刑にいたる病 (ハヤカワ文庫JA)
チェインドッグ』改題の文庫化。
一審死刑判決を受けている未曾有のシリアルキラー・榛村からの一通の手紙。旧知の間柄である主人公の大学生・雅也はそれを受け、榛村との面会に赴く。
雅也の鬱屈とした心理、榛村の犯行内容とそこに至るまでの背景・半生など、非常に重苦しい描写が連続する。雅也が榛村の足跡を辿るにつれ様相が変貌していく様には、不気味さと共に何処か少しの期待も混じってしまう。そのような読み方、拾い方を一瞬でもされれば、狙い通りということなのだろう。
あと改題は大正解だと思う。