書は言を尽くさず、

本読んだりしています

2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

伊坂幸太郎 『グラスホッパー』

伊坂幸太郎にしては珍しい、ハードボイルド要素の強い作品で、重厚さを持たせるためか、普段の伊坂作品に見られる気取りや洒落た言い回しは「比較的」控えめである。しかし、あくまで控えめなだけであり、その伊坂風の感性が明確に残っていることは間違いな…

吉田修一 『ランドマーク』

大宮に建設中の高層ビル。その開発に関連する2人の男のまったく異なる日常が、吉田修一お得意の静かな異常を孕みつつ交互に描かれる。 高層ビル「O-miyaスパイラル」は、読んで字のごとく、並び立つ2本のビルが螺旋のごとき形状をとる構造。接近はしても絡み…

中井拓志 『レフトハンド』

第4回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。

西尾維新 『不気味で素朴な囲われた世界』

『きみとぼくの壊れた世界』に続く「病院坂」シリーズ第二弾。

『井上雄彦 最後のマンガ展』*1

この展は絵画展ではない。まさにマンガ展である。 ただ「絵画」を飾り続けるだけではなく、そこに連続する「物語」が存在する。 加えて、平面的な世界に閉じたマンガとも一線を画し、空間を意識して構成することにより、「上野の森美術館」そのものをあたか…