書は言を尽くさず、

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貫井徳郎 『夜想』

不思議な力を持つ女性と、その能力によって救われた男性の物語。
著者としてはデビュー作『慟哭』以来の、宗教をテーマとした小説。物語的なカタストロフと構造的なカタストロフを織り交ぜ、一挙に畳み掛けていく終盤には絶句。後味が悪いわりに良い風にまとめている点は印象が違うが、近年の作者の変化だろうか。