伊坂幸太郎のある意味子ども染みた気取りとミステリ的な手腕が全面に押し出された作品。現在と過去のストーリーが並行し、交錯して行く様が見所である。
『重力ピエロ』を読んだ時にも思ったのだけど、やはり著者のセンスという小説の根幹となる部分は好きではない。好きではないのだけど、ミステリ作家には珍しい癖の強さが含まれていて、なおかつエンターテインメントとしても筋を押さえている点から、ついつい読んでしまう。
本作は、そんな気に入らない著者の作品群の中で、自分としてはかなり気に入った方に属する。映画も見てみようかな。
