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西尾維新 『怪傑レディ・フラヌール』

怪傑レディ・フラヌール 怪盗フラヌール
怪盗フラヌールシリーズ3作目にして最終作。
父・怪盗フラヌールの成果たる盗品の返却を二代目として進めてきた道足。未返却も残すところ1品というところで、怪盗フラヌール収監という不可解な報せを受ける──。
二代目フラヌールこと道足の一人称によるああでもないこうでもない心境描写が印象的なこのシリーズ。本作はその極みというか、想像と妄想、行動の根拠と言い訳、回りくどさと言い訳がましさが詰まった中で、急激な展開をジャンプ漫画的に章・節区切りで入れてくるあたり、極めて西尾維新らしい作品と言える。
三兄弟をそれぞれタイトルとしたシリーズは終了ということだが、シリーズ皆勤で尚且つ強いインパクトを残す登場人物──名探偵・涙沢虎春花による続編の匂わせがあとがきで見られる。著者の相当お気に入りキャラなのではと感じる。