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山吹静吽 『夜の都』

夜の都 (角川書店単行本)
日本ホラー小説大賞受賞第一作。
時は大正。14歳の少女は、バケーション中に父と継母と3人で訪れた東洋の島国で超常現象と未知なる魔女と遭遇する。
あらすじだけを見ると魔法少女ものだが、過剰な装飾を施した文章のインパクト。幻想的表現の描写の連続で、デビュー作同様にリーダビリティの問題は継続している。終盤の展開など、濃密さに溢れていて想像力の拡張を読者に強いるようである。長編ゆえの物語の起伏はあるが、飛び抜けた癖が集中して出るタイプ。自分はしんどさが買ってしまったが、そこを越えた部分に味があるのは間違いないと思う。