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貴志祐介 『我々は、みな孤独である』

我々は、みな孤独である
『ランティエ』連載作品の単行本化。
私立探偵の主人公が受けた「前世で私を殺した犯人は何者だったか調べて欲しい」という突拍子もない依頼。霊能力者・郷土研究者・小説家などと会い調査を続ける中で、主人公は前世の存在を徐々に意識し始める……。
貴志祐介としては一風変わった作品。探偵小説なのか、ホラーなのか、ハードボイルドなのか、ジャンルの壁を越えたというか、そもそも何かのジャンルに属すべきようなものなのか。
気になるのは東日本大震災に関連するエピソード。2020年においては少し時機を逸しているというか、唐突感がある。雑誌連載時の単行本化のためのズレかと思ったが、インタビューを見る限り*1、単行本化の際の追加エピソードらしい。インタビューで色々と狙いは理解できたが。