2005-10-16 貫井徳郎 『悪党たちは千里を走る』 book 人には向き不向きというものがありまして… およそ貫井徳郎らしからぬコメディタッチの誘拐サスペンス。展開がスピーディでリーダビリティは高いのだけど秀でた点はそれぐらいで、文体・ユーモア・キャラクタなどのコメディ作品の出来を左右するパーツがどれも冴えない。新境地を拓こうとしたが失敗しているような気がしなくもない。 それとやはり貫井氏には『殺人症候群』並みの重厚な作品を期待してしまうのであります。