2018-05-29 堀江敏幸 『熊の敷石』 芥川賞受賞作の中編と、短編2作を収録。 表題作はいきなりセンテンスが長く装飾的な文章に面喰らう。次第に落ち着いてこちらもホッとするが、時折混ぜられる特殊な表現や意味深な内面描写で文章を追う目が止まる。フランス文学者と聞いて、なんとなく分かったような印象。 他の2編でも独特な文章は続くが、「砂売りが通る」の方は、幾分かとっつきやすい。 西尾維新『本題』より触発されて手に取ったが、収穫があったのか無かったのかは不明。なんとも言い難い読後感を得たい時に向けての選択肢が増えたとは言える。