書は言を尽くさず、

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小森健太朗 『大相撲殺人事件』

大相撲殺人事件 (文春文庫)
連作短編集。2017年で3刷発行。角界の問題に乗じてリバイバルヒットしたとの噂。
行きがかり上、相撲部屋に入門することになった外国人・マークは、様々な殺人事件に巻き込まれていく。
「立ち合いの瞬間、爆死する力士」「頭のない前頭」「密室状態の土俵で殺された行司」だとか、目次と裏表紙のあらすじがよく出来ていて、笑いを求めて手に取る人がいるだろうが、読んでみると、あんまり笑えない。本格ミステリを意外にも真面目にやろうとしている面もあり、振り切れていないからか。それともそもそもユーモアのセンスが?なのか。アリバイ説明のために事務的な描写が増えていく様が、何とも新本格ミステリという感じ。