森博嗣実用書シリーズ。幻冬舎新書より。
『孤独』という言葉に一般的に持たれているマイナスイメージを払拭するような主張が描かれる。こうした、一般的にはマイナス・マイナ(森博嗣風には横棒を付けない)の概念・具象に対して、こういう考え方もある…というか森はそう考える、という展開が森博嗣実用書シリーズの定番パターン。
面白いのは、「考えすぎて落ち込んでしまう人に「あまり考えすぎるのは良くない」なんてアドバイスは不適。もっといろいろなことを考えを巡らすことが大切」「家族や親子であれば、隠し事はあってはならない、などは綺麗事。相手に何を知らせるのか、情報をどこまで共有するのか、ということを考えて選択することが、本当の優しさ」などの森の思考。このように、「孤独」という概念的でともすれば伝わりづらくなりがちなテーマに対して、時に具体的、または過激でキャチー(キャッチィ?)な表現も行う。興味を引き響かせるために狙ってやっているとのことで、流石である。