シリーズとしては百年シリーズの第3作とされる。
偶像(アイドル)的な存在の赤目姫を中心に、それを取り巻く二人の男、そして緑目王子・紫王など様々なカラーアイを持つ人々が代わる代わる登場する。中盤より幻想性が極めて強まり、定まっていたはずの視点もぼやける。森博嗣が得意とする抽象化を小説で以って表現したものか。
また、幻想性の一方で哲学的物言いも増加する。『スカイ・クロラ』シリーズともまた違う抽象性であり、好む層もまた違うものになりそう。
シリーズ作品としては、続刊の後に評価が定まる作品ではと推測する。