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森見登美彦 『聖なる怠け者の冒険』

聖なる怠け者の冒険 (朝日文庫)
とある怠け者の土曜日を描いた長編小説。
怠惰な腐れ社会人を主人公として、宵山の催される京都を舞台に、謎のヒーローが活躍したり秘密結社などが暗躍したりミーツガールしたり。そして人外。森見のいいとこ取り感は強い。
著者あとがきにて仄めかされている通り、他作品とのリンク…所謂スターシステムのような趣向もある。尤もこれは著者の得意技の一つでもあるが。
新聞連載という著者の新境地で描かれた作品であり、連載版と単行本版と文庫版でかなり内容が違うらしい。手に取ったのは文庫版だが、何となくその過程を経て洗練された成果物なのかなと感じた。