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乙一 山白朝子 『Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選』

Wi-Fi幽霊 乙一・山白朝子 ホラー傑作選 (角川ホラー文庫)
乙一、山白朝子(戸籍上同一人物)のホラー短編集。
ミステリ・ホラー評論家の千街晶之による編纂。
他のアンソロジーや雑誌のみに収録されたホラー作品を所収。それだけでも価値あるものだが、取り分け乙一短編の中でも優れた評価が多い(SNSでの印象)の「SEVEN ROOMS」を収録したことは賞賛モノ。
山白朝子名義では和泉蝋庵・耳彦の旅作家コンビが登場するが、他作品には共通の人物・テーマ等はない。にもかかわらず、うち3編にわたり「鳥」がキーとして登場することは千街晶之も解説で触れるとおりで印象的。数ある物言わぬ動物の中から、何故頻繁に「鳥」ばかりが選ばれるか。何らかの知性か、神聖か、畏怖か、そうした感情が著者の中にあるのかもしれない。
表題作は、フリーWi-Fiを拾ってしまったことが元凶となるホラーだが、その導入は勿論のこと、大いに生成AIが登場し展開に関与していくのも現代的。更にもう一捻りを期待してしまったのはAIの進化速度と本書出版時のズレによるもの…かもしれない。