書は言を尽くさず、

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早坂吝 『VR浮遊館の謎 探偵AIのリアル・ディープラーニング』

VR浮遊館の謎―探偵AIのリアル・ディープラーニング―(新潮文庫nex)
探偵AIシリーズ第4作。
AIや先端技術を扱ったミステリ作品シリーズの今回の題材はVR
視覚と聴覚のみでなく、五感すべてをVR再現させるフルダイブ型VRの体験中に発生した殺人事件に相衣と輔が挑む。
ミステリ慣れした読者がまず想像・推理してしまうラインを言わば撒き餌として、そこを越える真相の置き方が巧妙な著者。
本作もVRのゲーム的設定を用いたフーダニットを前面に出しつつも、推理させる一層目と隠した思惑の二層目三層目。読者がどこまで至るかを楽しんでいるようにも見える作品。