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吉田修一 『昨日、若者たちは』

昨日、若者たちは (講談社文庫)
短編集『オリンピックにふれる』改題。
4編の短編集。
夏季、冬季のオリンピックの周囲で生きた若者たちが主人公。舞台は香港・上海・ソウル・東京、オリンピックの時期も北京・バンクーバー・ロンドン、そして令和の東京と様々。
人生と生活感の切り取り方が実に巧妙な吉田修一。本書ではオリンピックの本大会そのものではない部分で、なおかつ現役の選手以外を視点人物としている。4編いずれも閉塞感を一番に覚える、そのような要素の切り取り方が、オリンピックという題材とのギャップも相まって実に印象的な作品。