
書き下ろしアンソロジー短編集。著者は、有栖川有栖、北沢陶、背筋、櫛木理宇、貴志祐介、恩田陸。
「慄く」──恐怖等で体が震えるという意味合いなので、アンソロジーの縛りとしては緩く、作家陣の多様な表現手法を見ることができる。
いくつかの作品にコメント。
有栖川…クローズドサークルというミステリ要素を含みつつのホラー。
北沢…初見の作家。時代がかった丁稚奉公の設定ながらさらっと読ませるリーダビリティの高さが印象的。
貴志…視点人物の気持ち悪さと、姪との心理戦と、貴志祐介らしさが実に強く滲み出るような秀作。