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森見登美彦 『ぐるぐる問答 森見登美彦氏対談集』

ぐるぐる問答 森見登美彦氏対談集 (小学館文庫 も 24-2)
森見登美彦の対談集。
洒脱な文体を駆使する森見登美彦だが対談では糞のつくほどの真面目ぶり。
森見史上初の対談となる劇団ひとりなどは、話が噛み合っているように見せて噛み合っていないというか、ひとり言のようなことを話している、ふたりとも。少なくとも、劇団ひとりが森見作品を読んでいるかどうかは読み取れない。逆はあるようだけど。
後半に進むにつれ噛み合い方と対談らしさが増していくのは、成長を見るようで楽しい。
印象に残ったのは、京都生まれほど京都を特別視しないということ。綾辻行人の作品ではそれがよく分かるというか、京都らしさを感じたことはない。反面、森見登美彦は奈良生まれであるから、京都を怪しい舞台として描く。成程。
何か後に繋げようと思ったのは上田誠。『四畳半神話体系』アニメ版、『サマータイムマシンブルース』で知っていたものの、新たに「曲がれ! スプーン」の舞台版を見てみている。