書は言を尽くさず、

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法月綸太郎 『犯罪ホロスコープII 三人の女神の問題』

犯罪ホロスコープII 三人の女神の問題 (カッパ・ノベルス)
6編収録の短編集。
星座に関連した犯罪・謎の数々というコンセプトで描かれた、著者と同名の推理作家が探偵役として活躍する短編集。本書は、『犯罪ホロスコープI』の続巻として、12星座のうち後半6つ(天秤座〜魚座)を一冊にまとめたものである。
後半までくると作中世界の事件と星座の神話の関連が苦しい作品もちらほら見えるが、一定のルールを自ら設けて創作するという今どき古臭い本格ミステリへの拘りには脱帽する。徹底したロジックとどんでん返しの仕掛けも相変わらずの著者らしさ。法月親子のやりとりだけでもじわじわ面白いものがある。
個人的なお気に入りとしては「宿命の交わる城で」。タロットカードというストレートな「見立て」から展開するミッシングリンクの解読過程は、見ていて楽しいものがある。