書は言を尽くさず、

本読んだりしています

島田荘司 『ローズマリーのあまき香り』

ローズマリーのあまき香り
御手洗潔シリーズ。語り手はハインリッヒ。
地上50階の高層ビルで起こる密室殺人。被害者は世界的に有名なバレエダンサー。死亡推定時刻は公演の合間に殺害されたことを示唆するが、観衆全員が公演終了まで踊りおおせた被害者を目撃していた。
20年前の当事件の描写から始まり、いくつかの挿話を経てハインリッヒ視点で御手洗潔が登場する。その構成は最早御手洗シリーズの定番といえるようなものだが、挿話のインパクト、真相の衝撃・トリックのスケールなどなど総合的に控えめに感じた。
もっと何かに尖っていて欲しかった。こうした感触なので、時事ネタだけが取ってつけたような印象で浮いて見えてしまい気になった。