書は言を尽くさず、

本読んだりしています

綿矢りさ 『インストール』

インストール (河出文庫)

自分が間違っていたなんて絶対認めたくない。そのためには自分のスタイルに根拠のない自信を持ち続けなければ生きていけない。たとえその滑稽さに内心気づいていたとしても。

第38回文藝賞受賞作。単行本時に一度読んでいたが400円という安価さについつい手が伸びた。
再読するとまるで印象が違うなぁ、と思いながら読んでいたが、初読時の感想を読むとどうもそうでないように見える*1。おかげで書くことがなくなった。
文庫化にあたり書き下ろし短編「You can keep it」が収録されているが、何だかのっぺらぼうな登場人物ばかりだなぁと思った。男性の一人称だからか、不自然すぎる。