書は言を尽くさず、

本読んだりしています

ワセダミステリクラブ主催 法月綸太郎講演会

毎年恒例、早稲田祭でのミステリ作家講演会イベント。麻耶雄嵩以来の聴講。
以下、講演内容を抜粋して。


・京大ミステリ研では読書会、犯人当て、合宿等の活動を行っていた
・『幻影城』全盛の時代
・学生時代の探偵役は「林太郎」で、デビュー時に島田荘司から「この画数のこの字がいい」と勧められる
・昔から遅筆
・最近の小説作品では、後期クイーン問題は意識的に薄めている
・エラリィ・クイーンに対する思い入れはやはり格別
・犯罪ホロスコープシリーズは書くのがしんどかった
・犯罪ホロスコープシリーズは、ギリシャ神話という枠組みのハードの中で、本格ミステリという別のハードを何とか動かす試み(エミュレーション)
・思い出の作品は、古典がどうしても挙がる
・海外物…ロス・マクドナルド『ウィチャリー家の女』、ニコラス・ブレイク『野獣死すべし』、アイラ・レヴィン『死の接吻』
・国内物…仁木悦子『林の中の家』
島田荘司については今更何も言うことない凄い人ですよね。『占星術殺人事件』、『斜め屋敷の犯罪』。しかし、短編が凄い。たまに物凄くおかしな作品を書くところが、島田荘司の底の知れない部分。
鮎川哲也はアリバイ物をオススメ。しかし『黒いトランク』は複雑性が高い。


印象としては、2時間では足りない。1言2言の質問に対して、5分から10分かけて誠実に言葉を尽くしている。来場者からの質問に頭を抱えて悩む等、笑いが起こる場面も。著者の人柄が垣間見える良い講演会だった。