書は言を尽くさず、

本読んだりしています

2007-08-12から1日間の記事一覧

恒川光太郎 『雷の季節の終わりに』

地図にない土地「穏」。そこと現実世界の境界にあたる墓町。 複数の視点を織り交ぜ、時折現実世界をも描き、それぞれの世界のコントラストを打ち出す。ホラー作家として重要な「雰囲気作りの巧さ」は、2作目にして既に堂に入っている。感服した。 終わり際の…

北山猛邦 『少年検閲官』

書物が失われた世界で起こる連続殺人。ファンタジー風の設定は著者の得意分野である。 作品世界での非常識・不条理を、現実世界での常識・条理で解決する様が興味深い。この手法、読者に対してはフェアなのだろう。そして、「現実世界での条理」による物理ト…