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書は言を尽くさず、

本読んだりしています

島田荘司 『アルカトラズ幻想』

アルカトラズ幻想
オール讀物」連載作品の単行本化。
ワシントンDCで発見された女性の惨死死体から全てが始まる。
恐竜論かつ宇宙論かつ重力論。脱獄不可のアルカトラズ島。南瓜を主食とするパンプキン王国。
以上にキーワードだけを挙げたところ、何がなんだか解らない。しかしそれらを関連付けて話を展開し、魅力的な謎を提示しながら強引に(かつ論理的に……)ねじ伏せる(解決する)のが島田御大の手腕。
正直言って、本書をミステリとして見つめた際、以上のキーワードは必要な要素ばかりではない。しかしその余剰を物語として読ませる力において、島田荘司の右に出るものはなかなかいない。
ただ、その脇道のエピソードについては、全盛期(『眩暈』『アトポス』『龍臥亭事件』等)に比べると控えめであることも一言添えておく。ゆえに、読み終えるまではそこまで言うほどの「長旅」ではない。