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書は言を尽くさず、

本読んだりしています

西尾維新 『悲痛伝』

悲痛伝 (講談社ノベルス)
伝説シリーズ第2作。『悲鳴伝』続編。
情緒の欠けた少年・空々空のその後を描く。
四国が「消失」したという事件を調査するため、地球撲滅軍第九機動室室長となった主人公は現地に乗り込む、という筋書き。
西尾維新はどうもこの消失した四国という舞台が気に入ったのか、500頁を費やしてもまだまだ事件は解決しないまま(本作の中である程度の謎とその解決はあるが)、「『悲惨伝』に続く」と結ぶ。
まぁ気に入ったというよりは、心理描写に枚数を使い過ぎたという方が正しいかもしれない(これはあとがきで著者も認める点)。1事象1事象に対してくどいぐらいに、主人公の心理と情況判断が描かれる。何事にも動じないという特殊な性格をした主人公なので、そういった心理描写をある程度は興味深く読むことができるが、この長さともなると流石に冗長である。
また、四国とそこで行われている「ゲーム」について、多くの謎・不明点・説明不足な点を残したまま展開していくので、手探り状態の読者はかなりやきもきさせられる。これも物語のテクニックなのだろうが、読み手を選びそうだ。


第1作を超えることはできない作品だが、これは続編(というか完結まで)を含めて評価すべきかもしれない。