2025-11-21 北山猛邦 『神の光』 書き下ろし含む5編収録の短編集。 5編すべてで物理的かつ大掛かりな「建築物の消失」が描かれる、ミステリ界隈でもかなり珍しい短編集。「物理の北山」の面目躍如とでも言うべきか、しかも本作は館ものを多く上梓してきた著者らしい「建築物」への拘りが素晴らしく光る作品。 それぞれに見所あるがフェイバリットは「藤色の鶴」。物理トリックって外連味ナンボのところがあり、現実味などさておき楽しくなるのは、自分が島荘に脳味噌を粉々にされてしまった人種だからだろう。