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『アイアムアヒーロー THE NOVEL』

アイアムアヒーロー THE NOVEL (小学館文庫)
花沢健吾原作の有名漫画のノベライズアンソロジー。
原作キャラを用いるも良し、設定のみ用いるも良し。ジャンルもどうやら自由で、作家ごとの特徴が強く出る。なお、佐藤友哉島本理生朝井リョウ以外は初めて読む作家。

朝井リョウ:原作キャラ・比呂美のキャラクター補完。単独の読み物としては甘ったるくてだらだらした感が辛い部分があるが、原作の雰囲気に一番近いものも感じた。
中山七里:リーダビリティが高く、綺麗に落とす感じ。手堅い。
藤野可織:ひらがな比率が高く、読みにくい。丁寧に読ませるリズムを作る狙いかと思うが、どうも作家性なのか本作の視点が中学生だからか不明。
下村敦史:原作キャラを用いたオーソドックスな外伝という感じ。原作を踏まえた台詞や表現など、よく読んでいるなぁという印象。ちょっとオチは上手くない気がするが。
葉真中顕:将棋という競技とハザードの関係。ニコニコ動画的記載や、終盤の展開に陳腐さが拭えないが、それも狙いなのだろう。
佐藤友哉島本理生:夫婦合作。原作からすると佐藤友哉寄りだが、この作品はどちらかと言うと島本理生色の方が強く出ていると思う。自分がイマイチピンと来なかったからだが…。しっかし、こんな夫婦仕事は…キッツイし凄いなと思う。