書は言を尽くさず、

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阿部和重 『Deluxe Edition』

Deluxe Edition
12編収録の短編集。
収録作品はすべてマイケル・ジャクソン、プリンスなどの楽曲名を流用しているが、長さはまちまち、掲載誌もばらばら。コンセプト短編集というよりも著者の趣味嗜好によるもの、という印象。
阿部作品といえば暴力と性と陰謀。和製パルプ・フィクションと勝手に言ってしまうが、この安っぽさは他に表現のしようがない。そうした作風は相変わらずなので不満はないが、オチのないショートショートのような作品が多いのが気にかかる。