2011-04-05 坂木司 『短劇』 book 26編収録のショートショート集。 短編ではなくショートショートであり、正味1編10頁程度の作品が続く。 こうなると1発ネタによる世界の反転を狙うものが多くなり、どれだけ奇抜な設定や展開でインパクトを与えるかが求められる。 本書では多分に戦術なのだが「カフェラテのない日」のような日常の謎に始まり、徐々に「幸福な密室」「ほどけないにもほどがある」等、奇抜な作品が増えていく。 著者の本領は繊細で瑞々しい作風だと思うが、本書の後半で頻出するダークな作品も小綺麗にまとまっている。