書は言を尽くさず、

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浦賀和宏 『彼女の血が溶けてゆく』

彼女の血が溶けてゆく (幻冬舎文庫)
ノンシリーズ描き下ろし。
いつの間にか『彼女は存在しない』が大増刷し売れっ子となった著者の、久しぶりの幻冬舎刊行作品。
とある病院の医療ミスを発端とした物語。
次々と事実が判明していくストーリーは読者を惹き付ける。浦賀作品にありがちな過剰な自意識やその他様々な悪趣味については薄目にテイストされており(全くないとは言えない)、読みやすく手堅い作品に仕上がっている。
物足りないと言えば物足りないけれど、この成功が安藤シリーズの文庫化に繋がることを心より願う。