書は言を尽くさず、

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安部公房 『砂の女』

砂の女 (新潮文庫)
砂丘の一軒家に閉じ込められ脱出を試みる男とそれを留まらせようとする女。二人は奇妙な共同生活を始める……。
巻き込まれ系の展開に引っ張られるが、多彩な比喩表現に引っ掛かり頁をめくる手が止まる。それにより読書リズムは崩れるが、話の筋自体は単純なので、安部公房の言語感覚だけをじっくりと楽しむ事が出来る。
ラストシーンは極めて印象的で、題名の意味について思い巡らせる。