書は言を尽くさず、

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森見登美彦 『太陽の塔』

第15回日本ファンタジーノベル大賞、大賞受賞作。
ドロップアウトした学生たちの妄想に溢れたどうしようもない日常が、独り語り系の文章で脈絡無く描かれる。そのとりとめの無さはさながらエッセイである。
小説としては、「太陽の塔」というモチーフや終盤の「ええじゃないか騒動」によって引き締められてはいる。だが、この2点についてはもう少し深く書き込んでも良かったように思う。
確かに笑えはするが、どこか中途半端な印象が残る一冊。