書は言を尽くさず、

本読んだりしています

麻耶雄嵩 『友達以上探偵未満』

友達以上探偵未満
3編収録の短編集。「小説 野性時代」「文芸カドカワ」などに掲載されたシリーズの単行本化。「伊賀の里殺人事件」はNHK「謎解きLIVE」の原作、いや時系列としてはノベライズか?(設定変更点あり)
麻耶雄嵩らしからぬ表紙のファンシィな登場人物イラストは、女子高生でありながら名探偵コンビと持て囃されている「もも」と「あお」。これに「もも」の兄で刑事である空がワトソン兼警察側協力者として加わり、事件解決に向けて物語が進むというのが一つのパターン。
発想の「もも」と、論理の「あお」。一風変わった分業性コンビ探偵。それをミステリにおいて成立させるには、事件解決に向けての発想の転換と確かな論理性が必要であり、その辺りは奇想とロジックの名手・麻耶雄嵩だけあって流石の一言。
個人的には、「夢うつつ殺人事件」の発想の転換が面白かった。なかなかに、新しい。