書は言を尽くさず、

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西尾維新 『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』

夢は叶ったけれど、その叶えた夢の価値というものは、やはり叶えてみないとわからないのだ。

世界シリーズ第4作。
シリーズ2作目の登場人物・串中弔士が女子校教師として再登場。
2作目のシニカルな方向性にさらに磨きがかかった作風。西尾維新ならではの言葉遊び・森博嗣を意識したような観念の傾きが強烈に全面に出ている。「謎」の処理のあっさりさ(これも西尾維新らしいのだが)から、物語としての面白みはさほどではないと感じるが、シリーズ全作に通ずる「世界」へのスタンスを感じさせる。
小手先感は否めないが、なぜか好印象が残った。