書は言を尽くさず、

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吉田修一 『最後の息子』

最後の息子 (文春文庫)
第84回文學界新人賞受賞作である表題作を含め3編から成る。文庫裏の解説では「爽快感200%」やら「キュート」だとかのたまっているが、とてもそんな内容ではなく、もっと後ろ暗く得体の知れないものを日常から描いていると思う。
一から十まで言いたいことがあり、どこまでを晒すか。それらは微妙な文章表現や行間の取り方で実現させるわけだが、そのセンスが自分の肌に合った。何故か『パークライフ』を読んだ時には感じなかったことだが……。
収録作中では「破片」が最も好み。