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雀野日名子 『かぐや姫、物語を書きかえろ!』

かぐや姫、物語を書きかえろ!
流行りの転生モノを独特なアレンジしたもので、『竹取物語』の登場人物2名が、物語の神の力によって『源氏物語』『平家物語』『仮名手本忠臣蔵』『舞姫』『蟹工船』へと次々に転生していく。連作短編形式。
全体に一貫したテーマは物語の中の「女」。歴史の各時代で翻弄されてきた「女」たちを、転生した2人の女性が型破りな行動で変化させる、というのが一つのフォーマット。よって全般的に閉塞感が漂う。この雰囲気作りは流石雀野日名子。しかし後味は転生先作品によって細かく違う。
一番展開に面白みを感じたのは『仮名手本忠臣蔵』。痛快さも一番強いように思う。