書は言を尽くさず、

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白河三兎 『ひとすじの光を辿れ』

ひとすじの光を辿れ (新潮文庫 し 86-3)
公立高校を舞台とした青春小説。
スクールカーストを強く意識させる環境設定、視点人物の自己肯定感の低さと達観ぶり、あまりに繊細な配慮と打算など、白河作品頻出の要素が見られる一方で、ゲートボールというマイナースポーツ(尚且つしわしわした印象が強い)を題材として扱っている点が特徴。ゲートボールの戦術的な要素を採り上げ踏み込んで書いている点がなおのこと興味深い(きちんと勉強していないと書けないレベルなのかはゲートボールについて無知な自分には分からないが)。
一見どうかと思えるような登場人物の言動への理屈付けなど、流石のきめ細やかさで仕上げられた一作。