講談社「メフィスト」掲載作品から選出したアンソロジー。6編収録だが、3つのキーワード「一族」「ヌレギヌ」「鍵」に該当する短編が2編ずつ選ばれている。「道場」という言葉は、その2編同士が対決するような形で並べられている点から来るもの。ただし、内容の親和性は上記のざっくりしたキーワードぐらいで、ストーリーや作風等の関連性はほぼない。
平山夢明、久坂部洋、不知火京介は初めて読む。
平山は、想像していた作風とは違い、展開に意外性があり面白かった。
久坂部は、作家兼医師という特長が前面に出すぎている作品で、あまり他の作品を読もうという気にならない。
不知火は、タイムトラベルネタの割にあっさりと書くなぁという印象。
黒田研二は久しぶりに読むが、そつないという感想。
倉知淳は、素っ頓狂な「趣味」が関係してくる作品なのだが、こんな題材を小説にしようとする気概が楽しい。相変わらずだ。
村崎友を読むのは横溝賞以来。こういう細工をする作家だっただろうか……思い出せない。