榎木津礼二郎が活躍する京極堂シリーズの番外編、二冊目。
話の筋と妖怪の絡みは控えめ。その分、榎木津の暴れっぷリとその一味の茶番劇が面白おかしく念入りに描かれている。三編目「面霊気」の趣向が憎らしく、好き。
前作『雨』がどうだったか覚えていないが、語り手・本島はここまで愚鈍で自虐的だっただろうか? 関口化が進みすぎていてなかなかうんざりするところがある(まぁ関口の語りに比べ読み易くできてはいるが)。
それとも、作中で京極堂が繰り返す「あれと関わると猛烈に馬鹿になる」とはこのことも指しているのだろうか。