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森博嗣 『森には森の風が吹く』

森には森の風が吹く (講談社文庫)
自作小説のあとがき、メディアミックス作品の解説、読書・趣味・考え方など雑多なエッセイを分類して編んだ作品集。
森イズム・森風が極めて強い、いつものエッセイ集である。
自作あとがきについては『森博嗣ミステリィ工作室』『100人の森博嗣』と同様で、それ以後刊行分のもの。興味深く読めたが、実は未読で積んでおき完結してから一気に読むことを画策しているシリーズもあり、そのあたりの感想は適当に流して読む。Gシリーズがその一つで、ラスト悲劇3作を一気に読みたいから直前で止めているが、なかなか最終作が刊行されない。完結するまで待つことごそもそも悪手なのかもしれないと思いつつも初志を貫徹……というところで逡巡。
珍しく登場人物にモデルがあるという『喜嶋先生の静かな世界』『相田家のグッドバイ』が、自分にはかなり印象的な作品だった。このあとがきを読むまでは知らなかった部分である。きちんと整理はできていないが、その差異によるものを感性的に捉えられたのかもしれず、森博嗣読みとしては嬉しいことかも。(ただそれも森博嗣の想定したコントロールの範疇なのかも。かもばかり)