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『ステイホームの密室殺人 2 コロナ時代のミステリー小説アンソロジー』

ステイホームの密室殺人 2 コロナ時代のミステリー小説アンソロジー (星海社FICTIONS)
コロナ禍の設定におけるミステリアンソロジー第二弾。参加は乙一佐藤友哉柴田勝家法月綸太郎日向夏渡辺浩弐
第一弾と同じく、様々なコロナ禍における密室殺人が描かれる。舞台装置としてリモート通話、オンライン配信、営業再開ガイドライン等が登場。
乙一…丁寧で細やかな心理描写と、失われていく生命の描写。流石の一言。
佐藤…相変わらず視点人物に何らかの心理的な枷をかける。らしさは健在。そしてミステリとしてはかなり真面目な取り組みをしている。
柴田…初。メイド喫茶での殺人事件。著者の並々ならぬメイド喫茶への思い入れが伝わる。
法月…本書のみならず当アンソロジーシリーズ通しての一番の異色作。その時々の悩みが小説にかなり反映されそうな著者らしい作品ではあるが。
日向…初。マンションのバルコニーへの飛び降り死体。何かがひっかかるような形の読書感が、最後に判明し収束するのが良い。
渡辺…かなりアクロバティック、というかやりたい放題な作品。全体的な雰囲気は重厚にもかかわらず。そのアンバランスは面白い。