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『晴れた日は謎を追って』『街角で謎が待っている』

晴れた日は謎を追って がまくら市事件 (創元推理文庫)
街角で謎が待っている がまくら市事件 (創元推理文庫)
架空の街「蝦蟇倉市」を舞台とした連作アンソロジー短編集。『蝦蟇倉市事件1』『蝦蟇倉市事件2』の改題、がまくら市事件。参加作家は道尾秀介伊坂幸太郎大山誠一郎福田栄一、伯方雪日、北山猛邦桜坂洋村崎友越谷オサム秋月涼介米澤穂信
舞台装置たる市の商店街・バイパス・アパート・学校などの施設の共有に加え、一部作品では登場人物までもリンクする。
傾向としては『 1』にあたる『晴れた日〜』は拡散的というか街を舞台とした様々な風景場面を広がりを持って書き、『2』にあたる『街角で〜』は集約的というかアンソロジー内で既出の要素を活用しながら書く(勿論例外はある)。
各編感想。
道尾…ギミックに富む秀作。
伊坂…短編集で既読だがアンソロジーとして読むと味わいが変わる。
大山…初読作家。本格いかにも好きそうなのは伝わる。
福田…初読作家。ノスタルジー
伯方…デビュー作以来。テーマで自分を縛るタイプか。
北山…お得意なタイプだが薄味。
桜坂…初読作家。ぎこちなさの中に味あり。
村崎…デビュー作以来。ちとライト。
越谷…印象違い過ぎて驚く。酷い話だ。
秋月…らしさはたっぷり。ルビ好きだなぁ。
米澤…久しぶりに読むが印象変わらない。最後に世界を拡げるのは流石。