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早坂吝 『探偵AIのリアル・ディープラーニング』

探偵AIのリアル・ディープラーニング (新潮文庫nex)
文庫書き下ろし。
エロミステリーに限らず、最新時事ネタもミステリに活用する早坂吝の最新作の題材は「AI」。人工知能探偵を主人公とし、対立軸として人工知能犯人をライバルとして描く。
「AI」ならではのトリックもあり流石の一言ではあるが、惜しむらくは「AI」という魅力的な題材はSFでは頻出のネタという点。既に多くの作者や読者の目に触れていて、真新しさという面では著者の他作「ドローン探偵」に劣り、それ故にトリックを看破されやすいように思う。読者の想像力の方が慣れによって上回る、というか。意欲的に見えるが、流行りで書いてみました感も拭えない、惜しい作品。