書は言を尽くさず、

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貫井徳郎 『我が心の底の光』

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人を殺めた父を持ち、伯父一家に引き取られて暮らす少年の生き様を描く。
主人公の年齢ごとに章が分かれる形だが、もっとエピソードが連なるのかな、というタイミングで年代ジャンプが発生。連載雑誌の紙幅の都合か、バランスを加味した結果か。「過去」は描くが「現在」の描写には渋る。貫井徳郎ならもっと描けるだろう、と思わせる中途半端さ。
終盤明らかになる真意には一捻りあり。敢えて「外す」ような狙い方は難しいのだけど、これは面白い。それだけに前述の物足りなさが惜しい。