書は言を尽くさず、

本読んだりしています

枝松蛍 『何様ですか?』

何様ですか? (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
このミス大賞「隠し玉」ということで一筋縄ではいかない予感のとおり。高校生ならではの過剰な自意識と自意識のぶつかり合い。「ファイナルプラン」とは一体。
「痛々しさ」にしつこくスポットを当て続ける嫌ミスとして面白みはあるが、小手先でこねくり回している印象。もっともっと引っ掻き回しても良かったのではないかと思う。
応募時は、作中のブログに実在する書籍の書評も含まれており、選考委員を呆れさせたらしいが、出版時は削られている(架空の書籍の書評のみ)。そこはノーカットの方が、痛々しさの表現と分量的なバランス(特定の場面で急に筆が滑りがち)の2つの意味で良かったのかもしれない。内容不明なので何とも言えないが。