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雀野日名子 『幸せすぎるおんなたち』

幸せすぎるおんなたち
小説現代」掲載作品に2編書き下ろしを加えた連作短編集。
持ち家率、女性の働きやすさ、子育て環境満足度等、様々なランキングで1位を勝ち取る地方「X県」を舞台として、女たちが「幸せ」になっていく姿が描かれる。
一見ポップな色使いの表紙とは裏腹に、胸糞悪くなるような地方の偏執や故習の異様さが只管語られる。ぶっ飛んだX県の人間たちを描く様は、最早ホラー以外の何者でもない強烈さである。
著者のインタビュー*1を見る限り、地方コミュニティの現実を下敷きにしているようである。勿論この本はあくまでフィクションであろうが、多かれ少なかれ地方のもつ悪質さとでも言うものは人を害するのだろうなと考える。