次の作家にバトンとして「キーワード」を渡すリレー短編集。
北村薫、法月綸太郎、殊能将之、鳥飼否宇、竹本健治、貫井徳郎、歌野晶午、辻村深月が参加。
まぁ物の見事に作家ごとの個性が出たアンソロジーで、渡されたキーワードを忠実になぞるもの、キーワードを捻って捉えるもの、キーワードどころか設定をも引き継ぐもの……とそれぞれ作家ごとにスタンスが違う。統一性を求めて読むよりも、作家ごとのセイカクを読み取る方が良い。
著名な新本格系のミステリ作家だけあって、キーワードとミステリ要素の関連に着目しても興味深く読める、ものもある。
「キラキラコウモリ」は、殊能将之の最後の作品でもある。なんとも彼らしいヒネクレ。もう殊能作品は全て読んでしまった。喪失感。