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『12人の優しい日本人』

12人の優しい日本人 (PARCO劇場DVD)
舞台版。四演版をまるまる収録したもの。
元祖は、裁判員制度が存在しなかった頃、「もし日本に陪審制度があったら?」というifの発想から三谷幸喜が作り上げた密室劇。その後、裁判員制度の導入という好機を得て、再演という流れとなったのがこの四演版であるらしい。
個人的には先に観た映画版に大きな思い入れがあるため、どうしても比較しながらの感想になってしまうが悪しからず。


映画版に比べると微妙に台詞やリアクションの追加があり、喜劇風な調子が強められて仕上がっているように思う。むしろ映画版の方が削られているというのが正しいのかもしれない。
キャストは舞台版の方が豪華(というか華美)だが、筒井道隆温水洋一などはミスキャストのように感じる。特に前者は、映画版の冴えないオッサンが言うからこそ利く台詞が、改変なくそのまま使われていたりするため、どうも違和感が残る。
キャストの良変更としては小日向文世。はまり役。